数寄の間

* この部屋では、模型制作初心者・三木が自分の作例等を紹介します。

 

第3回 「SAVOIA S.21」を作る。

作例3つ目は「サボイア S.21(ファインモールド・1/72スケールモデル)」です。

有名かも知れませんが、一応機体の解説を・・・。

サボイアは実在の機体ではなく、宮崎駿監督のアニメ映画「紅の豚」に登場する

飛行艇(試作戦闘飛行艇)で、架空の機体を製品化したものです。ストーリーの進行

に伴い、前期型と後期型の2種類のサボイアが出てきます。今回作るのは前期型です。

 

ここでは、行程半日(8〜9時間)で1機を完成させることを目標に、手順を追って

作業内容を紹介していきます。

 

1.組み立てる前にご準備ください(タミヤの説明書っぽく?)

今回は以下のツールを使用しました。

・ニッパー

・ピンセット

・接着剤(タミヤセメント)

・瞬間接着剤(ゼリー状)

・万年皿(ノーマル&調合皿)

・紙切りハサミ

・筆(面相・極細面相)

・かき混ぜ棒

・塗料(Mr.カラー)

・塗料うすめ液

・サーフェイサー

・エアブラシ

・マスキングテープ

・マークソフター

・サンドペーパー

・コンパウンド

・油性マジック

 

・パーツの確認

上の写真に出ているものがパッケージされています。

初心者向けを意識しているためか、成形色が赤色です。赤をそのままに他の色を

塗り分けるだけでも手軽に完成させることができますが、塗料の発色を良くする為

には下地塗装をする必要があると思われます。


2.下地の塗装

 

パーツの裏面は、貼り合わせた後で光が透けないように(玩具っぽくなってしまう)

缶スプレーのサーフェイサー(以下、『サフ』と略す)を吹きます。 これは明度の

高くない色(グレー・ブラック)を吹いても効果は同じですので、必ずサフを使わねば

ならないということではありません。


3.胴体と翼の組み立て

 

機体を貼り合わせる前に機体内部色を吹きます。今回はサンディブラウンです。

エンジンは金属なので、塗装が擦れたときに地肌が出てもいいようにシルバーを

吹きます。 サボイアの場合は艇体は木製なのでシルバーは吹かない方がいい

のですが、右の写真のようにペーパーで研ぎ出したら下地のホワイトが剥げてしまい、

塗装がマダラになると困るので、こちらも撮影後にシルバー吹きをかけました。


4.コックピットの制作

 

コックピット内部の基本色はサンディブラウンです。他の色は筆塗りで。

操縦桿・ペダル・シート等の艤装品を塗り分け、計器パネルとシートベルトは

デカールを貼りました。もう少し印刷が精密だと嬉しかったんですが・・・。

シートベルトは立体感が損なわれるので、この部分をリアルに仕上げたい

場合はエッチングパーツを使うのが良いかも知れません。右は完成後の

写真です。コックピットの縁は、横着をして黒の油性マジック(笑)で塗りました。

つや消しにはならないのですが、はみ出す危険があまりなくて意外と便利。

まぁ、ガンプラとかだとペンぬりもメジャーですからね。


5.塗装とマスキング

 

。艇体とフロートの下面は無塗装の木にニス塗り仕上げという設定なので、

機体内部と同様にサンディブラウンを吹きます。時間に余裕があれば、縦方向に

レッドブラウン系の木目を筆塗りで描きいれたかったのですがパス。

下面色が乾燥したら、赤くしたくない部位(機体とフロートの下面・コックピット・

垂直尾翼)をマスキングテープで覆います。

 

※W杯の予選リーグ・日本−ロシア戦の試合最中に作っていたので、作業が手に付かず・・・。

続きは翌週に持ち越しです。


6.機体と主翼の塗装

あまり軍用機では馴染みのないカラーリングです。リヒトホーフェンのレッドバロン

なんかはありますが。 カーチス色だとリアルですが今度は主役っぽくないですね。

 

前週に続いて塗装作業です。モンザレッドを全体に吹き付けます。空気抵抗を

少なくするために機体の表面はツルツルに仕上げられているのを再現できる

よう、つや有りの塗料を2度吹きしてから、コンパウンドで磨きました。

この作業のことを考慮しないで、塗装前にフロートを主翼に接着してしまった

ので、余計な面倒が増えてしまいました・・・細かい部品は後から取り付ける

方がいいですね。 マッキでも失敗してますが。


7.デカール貼り付け

コードレターなどは無いのでデカール作業は楽な方です。

主翼下面と垂直尾翼にイタリア国旗のカラーリングを施しますが、赤は

機体の赤色を活かします。なかなか鮮やかに出来上がります。デカール

が硬めなので、マークソフターをたっぷり使いました。


8.完成

  

エンジンに銀でドライブラシを入れて、塗装が少し剥げて金属の地肌が見えた

状態を表現してみました。尾翼のデカールに皺が寄るなど、多少見苦しい点は

ありますが、つや出し工作のお陰で綺麗な作品が出来上がりました。

 漆器のような質感になっていて、あまりプラモデルっぽくないような!?

プロペラ(ブレード:サンディブラウン ノーズ:シルバー)

フロート(機体基本色+機体下面色)

エンジン(ラジエーター:シルバー 排気管:焼鉄色)

風防(枠部分のみ機体基本色)

 

※機体基本色(モンザレッド)

※機体下面色(サンディブラウン)


以上、第3回 「SAVOIA S.21」を作る でした。

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