数寄の間

* この部屋では、模型制作初心者・三木が自分の作例等を紹介します。

 

第4回 「三菱・九六式艦上戦闘機」を作る。

作例4つ目は「九六式艦戦(フジミ・1/72スケールモデル)」です。

ようやく日本機の登場・・・。家のストックは日本機ばかりなので、今までの

連続イタリア機制作が異例だったですね(苦笑)。素組みで作りました。


1.キット内容

ご覧のように、ランナー2枚とクリアーパーツ、デカール1枚で構成

されています。これを所要期間2週間(12時間程度)で完成させる

のを目標に、作業手順を御紹介していきます。


2.機体内部の塗装とコックピット制作

 

小さいモデルなので、内部はあっさりと作っています。塗装指示ではMr.カラーの

126番(三菱系コックピット色)となっていますが、横着をして27番(機体内部色)

を吹いてあります。計器パネルは塗装の上にデカールを貼って再現しています。

本当はシートベルトを追加すると良いのですが、ナナニイのエッチングパーツの

手持ちが無いので省略しました。このサイズだと自作はそろそろ厳しい・・・


3.国籍標識などの塗装

機体全体を銀塗装する前に、日の丸部分と尾翼を68番(モンザレッド)で

塗装します。3番(赤)でも良いと思いますが、こちらの方が発色が鮮やか

とのことで、目下68番を多用しています。後でマスキングするときに塗り残し

を作らないよう、かなり広い範囲に吹いてあります。


4.マスキング

通常の10mm幅のマスキングテープを使用して、日の丸と垂直尾翼を

マスキングします。丸く切り抜くのに、大きい円ならばコンパスにデザイン

ナイフを挿して回せば簡単に抜けるのですが、小さいとコンパス+ナイフ

では巧く出来ません。そこで、けがき針を軸にして指の力のみでデザイン

ナイフを固定し、台紙を回して切り抜く方法で円形のテープを作成しました。

今回作ったのは直径16mmと12mmの2種類です。切り抜いた後で剥離

しやすいように、マスキングテープを最初に剥離紙に貼り付けると楽です。

今回は使用済みのビデオテープのラベル台紙を使いました。


5.機体の塗装

マスキング作業が終わったら機体色の銀を吹きます。

8番(シルバー)1色のみで塗装しましたが、実際はパネルによって

微妙に色合いが違うので、159番(エアブラシ用スーパーシルバー)

や銀に28番(黒鉄色)を少量混ぜた色で塗り分けをすると、より良い

仕上がりになると思います。写真には映っていませんが、コックピット

はティッシュペーパーを詰めてマスキングしました。

赤色部分のマスキングをはがしたところ。

国籍標識は手作りでしたが、割と上手くいきました。胴体尾部の赤塗装が

一部テープと一緒に持って行かれてしまった(離型剤が残っていた? 泣)

ので、同色を筆でリタッチして修復してあります。

ex.プロペラ

プロペラの警戒帯もデカールを使わずに塗装で再現しました。

行程3のついでに赤を吹き、ペラ裏面(パイロットから見える方)には防眩塗装

を116番(ブラックグレー)で筆塗りしてあります。指定は黒色ですが、色が

ちょっとキツイような気がしたのでアバウトに。裏面はペッタリ、赤は細切りテープ

でマスキングをしてから銀を全面に吹きました。


6.細部の製作

エンジンと主脚を取り付けます。 小スケールなので部品点数も少なく、

それほど大変な作業ではないと思います。タイヤは回転するので自重変形

などの追加工作はしませんでした。ホイールとの塗り分けも完成後は殆ど

見えなくなってしまうのは残念かも・・・。

エンジンを正面からアップで。

開口部が大きいので、ここを丁寧に仕上げると引き立ちます。すべて筆塗り

で、下地に銀を塗ってから、奥まった部分は薄めた28番(ガンメタル)で陰影

を付け、シリンダーなどの繊細なモールドを殺さない程度に61番(焼鉄色)など

を重ねて塗装しました。全体がテカテカな銀色なので、少し暗めに表現。

カウリングは、まず内部を33番(フラットブラック)で。その後、外側全面に銀を

吹いてから、銀色に残す下半分をマスクして125番(カウリング色)を吹きました。

上下パーツを接着してから外を塗装したんですが、機体に組み付ける段になってから

「エンジンを挟み込む形で接着しないとアウト(差し込んでもハマらない)」だった

ことが発覚!! 冷や冷やしながら一度くっつけたパーツを割り、再度接着しました。

見た目には荒療治の影響が出ていないんですが、接着剤を少ししか付けなかった

ので強度的にかなり不安ではあります。


7.デカールの貼り付け

マーキングは付属デカールの中から吉富大尉機のものを選択しました。

・・・しかしコレだとカウリングの塗装が実機と違うんです(黙ってればバレないこと

なんですけど)。元々は岩本兵曹機を作るつもりの塗装だったのが、尾翼デカール

を貼るときに「失敗病」を再発してしまいまして、岩本機のデカールがお釈迦に(痛)。

 

こういう事情ですので、史実・資料に準じていない作例となっていることを

何卒ご了承いただきたく(失敗病の特効薬はありませんか?)。

 

最後にスーパークリアーをエアブラシでコートして完成です。


8.完成

 

全金属製単葉機のはしりながら、流麗なラインでまとめられた本機からは

いかにも高性能な雰囲気が伝わってきます。じーっと見ていると後継である

零戦の姿も浮かんでくるんですが、いかがでしょうか?


以上、第4回 「三菱・九六式艦上戦闘機」を作る でした。

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