数寄の間
* この部屋では、模型制作初心者・三木が自分の作例等を紹介します。
第7回 「フォッケウルフ・Fw190A」を作る。
今回は初のドイツ機制作です。
「嫌い」ではなくて、「塗装が難しそう」との理由で敬遠ぎみだったんですが、
意を決して作ってみることにしました。枢軸三国の軍用機はだいたい好き
なので、今後の弾みになれば・・・。ドイツ機の中ではメッサーシュミット系は
そんなに好みではなく、ハインケル系の優美なデザインが個人的ツボです。
いずれは舶来(HiPM社)の「He100D」を作りたいと思っており、腕試しのつもりで
今回は取り組んでいます。使用キットは入間の基地祭にて格安で売っていた
ハセガワ(ドラゴン)の「1:48フォッケウルフ Fw190A-5 プリラー」です。
1.コクピットの組み立て
操縦席はバスタブ式です。シートは取り付け位置が判然とせず悩みましたが
若干整形して、納まりの良い箇所へ接着しました。
計器パネルはエッチングパーツです。下地に116番(RLM66ブラックグレー)を
吹き、8番(シルバー)で強めにドライブラシをかけました。
計器類とシートの取り付け後。コクピット内部も116番で吹きます。
配線関係は追加せず、付属のエッチング製シートベルトを付けた程度です。
シート周りがごちゃついているのが珍しくて(さすがドイツ。)何枚も撮ってしまいました。
2.機体の組み立て
主脚収納庫は60番(RLM66 グレー)で。機体下面と別パーツで構成されているので
回り込む奥行きがよく表現できています。旨っ。 作業は、おおむねインスト通り。
機体内部も116番。
排気管は如何にも「いじってください」な造りになっています。
凹モールドをピンバイスで更にえぐって、パイプらしくできれば良いのですが・・・
あと正面からはエンジンが見えない代わりに下や後方の隙間からは見えるので
腕に自信がある人には見せ場になると思います。
次に胴体左右のパーティングライン、および胴体と主翼の
合いが気になったので、これらを埋めることにしました。
まず、多めにポリパテを盛ります(上図灰白色の部分)。
→
一度ペーパーをかけて117番(RLM76 ライトブルー)を吹いてみたら、削り残しの段差が
はっきり浮き出てしまいました(左上)。失敗です・・・これを再処理して、なめらかになるまで
ペーパーがけした後で塗装し直しました(右上)。ペーパーは400番→1000番→2000番と
3回かけています。
写真が多少前後しますが、機体色を吹きたくない部分をマスキングします。
脚収納庫とコクピット、あとここには出ていませんが機首下面と方向舵を事前
に113番(RLM04 イエロー)で塗ったので、マスキングテープで覆います。
プロペラと主脚。
スピナーは2番(ブラック)、ブレードは18番(RLM70 ブラックグリーン)です。
脚柱は60番、オレオ伸縮部は8番。タイヤはゴム部が33番(つや消しブラック)で
ホイールは2番で塗装してあります。出来上がってみると余り差が無いような?
3.機体の塗装
まず全体に機体下面色の117番を吹きます。それからマスキングを済ませたキャノピーを
取り付けますが、後方は完成時に「開」状態にしたいので仮止めです。ごく少量の水ノリで
付けてあります。さらに機体上面色を吹く前に機体下面色を残したい部分は紙とテープで
上図のようにベッタリとマスクしておきます。
「機体上面色・その1」として、37番(グレー75)を吹きます(左上)。
次に「機体上面色・その2」の36番(グレー74)を重ねたくない部分へ、インストの
塗装図を手本にこさえた型紙(雲形の不定形に切ったもの)を貼り付けます(右上)。
このとき、塗り分けにボケ幅が出来るように、普通のテープを環にして作った両面
テープを使って貼り付けると良いかと思います。紙の端とキットが密着していると色の
境界がハッキリしすぎて、トイっぽくなってしまいます。
ちなみに胴体後部のマスキングにはマスキングゾルを初使用してみました。
36番を吹き終わった状態(左上)。乾いたところでマスキングを全部取り去ってみました。
楽しみと緊張が同時に押し寄せる作業です・・・。
番号が近い割には色味にけっこう差があり、36番は緑が強く、37番は紫が強いグレー
であることが分かりますね(右上)。フタの色とかは良く似ているので間違えると悲惨かも。
エアブラシでのインクスポット迷彩も今回初挑戦です。
胴体側面に36番を細吹きしていきますが、フリーハンドで描くだけに、製作者のセンスが
大いに問われる行程ですが・・・初めてでこの出来映えはいかがでしょう??
パターンが単調にならないように心がけましたが、隅を鋭角に出来なかったのが残念。
4.細部の仕上げ
スミ入れ前・スミ入れ後の比較写真。タミヤエナメルの黒だけだと色彩がきつすぎる
気がするので、茶色と半々ぐらいに調色してから流しています。
デカールは経年劣化がみられ、あまり良い状態ではありませんでした。
重ね貼りするスワスチカも黒の方が水にふやけてしまいボロボロに・・・。
これは乾燥後に油性マジックでリタッチしました。
同じくふやけたバルカンクロイツ。
直線だけの単純な形状なので、初めは修正テープを貼ってやり過ごそうと思いましたが、色合いに
自信が無いので断念。マスキングテープで即席テンプレートを作り、内側を筆塗りしました。
上からクリアーを吹くと、近くに寄らない限りそこそこ誤魔化せる感じになります。
コックピットをマスクしてからクリアーを厚吹きして、デカールの段差をならします。
シルバリングを避けるには気泡が入らないように貼付面を平滑にするのが大事なので、
本当はデカールを貼る前にも一度クリアーをかけておく方がいいのかも。
主脚の取り付けです。フォッケは内股なので、資料と見比べながら慎重に角度をつけます。
5.完成
アンテナ線は未装着。 誰か長い毛髪をください・・・(笑)
以上、第7回 「フォッケウルフ・Fw190A」を作る でした。
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